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昨日、『週刊朝日』の最新号(2008年8月1日号。7月22日売)の吊革広告を見て驚いた。「竹島問題 なんと80%が反日だと」という小見出しの後、以下の見出しがでかでかと書かれている。
「いい加減にしろ!韓国人」 ![]() ここまで直球だと、『諸君!』、『正論』、『Will』ほかの並みいる右翼雑誌をすっ飛ばして、<マンガ嫌韓流>(しかも初期の)である。「平和」や「人権」を口にするリベラル系のマスコミ業界人が、私的な場で平然と差別発言を行う光景は、これまで何度も見てきたから、『週刊朝日』編集部が人種差別に親和的な心性を共有していても別に驚かない。ただ、「リベラル」を標榜する朝日新聞系列のメディアが、こうした民族差別、レイシズムそのものの見出しにゴーサインを出したというのは、やはり一つの事件であろう。 なぜかその記事の実際のタイトルは、「いい加減にしろ!韓国人」ではなく、「なんと80%が「反日」・・・いまさら「竹島問題」が沸騰する 韓国のお家事情」である。だが、記事の内容を読む限り、「いい加減にしろ!韓国人」の方が、この記事によりふさわしいタイトルだと思わざるを得ない。 この記事は、<感情的で理性的な判断のできない韓国人が、「反日」に狂っている>とでもいいたげな、<嫌韓流>的な目線に基づいたひどい内容だ。「沸騰」、「絶叫」、「ヒートアップ」、「パニックに陥っている」、「デマですぐにまひする韓国社会」(これは『朝鮮日報』の引用だが)、こうした単語がちりばめられ、「「主張に相違がある」という記述だけで“反日”に火がつく韓国には大人になってもらいたい。不毛な竹島論争に終止符が打たれる日は、いつの日になるのやら・・・・・・」と、全体を結んでいる。 この記事は、韓国国民の李明博大統領への批判も、朝鮮日報の記事を引用しつつ、韓国国民がデマに踊らされているだけだ、といいたげである。だが、この件での韓国の左派の李明博批判の支配的な論調は、発足当初、李明博政権が対日宥和と「未来志向」を謳ったからこそ、日本の右派勢力が韓国を舐めてかかって、新学習指導要領の解説書に、竹島(独島)が日本の固有領土であると明記しようという方向に進んだのだ、だからこれは李明博の外交失策だ、というものだ。李明博政権がこの件で激しく批判されているのは、デマ情報のために、韓国国民が「パニックに陥った」(これは、『週刊朝日』記者の言葉)からではない。 問題を「デマ」や「扇動」のせいに矮小化して、民衆の保守派批判に冷水を浴びせようとするのは、右派の「朝鮮日報」のいつものパターンである(例えば、米国産牛肉輸入をめぐる「ろうそくデモ」に対しては、「背後に北朝鮮の手先の扇動がある」といった具合)。『週刊朝日』編集部の記者に、はじめから、「韓国人=反日=感情的=非理性」という<嫌韓流>的な図式があるから、その図式に都合のいい論調だけがつまみ食いされて、こうした記事ができあがるわけである。 また、上で引用したこの文章の結びの言葉の一部、「「主張に相違がある」という記述だけで“反日”に火がつく韓国」という箇所も、事実関係が歪曲されている。この件が問題になった発端は、文部科学省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書に、竹島(独島)を「我が国固有の領土」として明記する方針を固めたという報道だ。「「主張に相違がある」という記述だけ」でないことは明白である。ここも、はじめから、「大人」である自分たち日本人が、感情的で非理性的な半人前の韓国人に対処する、という<嫌韓流>的図式がこの『週刊朝日』の記者にあるからこそ、こうした事実の歪曲になるわけである。 『週刊朝日』のこのレイシズムそのものの見出しは、この、<嫌韓流>的な視線に基づいた記事内容と、ちょうど見合っている。
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