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2009年 12月 06日
森田実『政治大恐慌 悪夢の政権交代』(ビジネス社、2009年1月刊)を読んでいたら、あまりにも的確な指摘の数々に遭遇し、驚いた。
森田の政治的立場自体は、新自由主義的な大連立には反対だが、「修正資本主義」、「社会全体が調和する政治」が必要という立場であって、ほぼ間違いなく、以前挙げたような、「格差社会の是正」を唱える「よい大連立」を歓迎するという立場である(同書では、国民新党の亀井静香がやたら持ち上げられている)。周知のように、この人物は一筋縄では扱えないし、ある意味ではこれも「大連立」への誘導本だ。だが、左派も含めたメディア上で、ほとんど聞くことのできない真っ当な指摘の数々は、一読に値すると思う。 森田は同書で、以下のように述べている。 「 いま永田町でささやかれる政界再編のシナリオの中で最悪のシナリオは、武力行使をともなうアフガニスタン戦争への参加を実行することを明言している小沢民主党内閣のもとでの大連立政権の樹立である。これは究極の従米大政翼賛体制である。 この政権のもとで日本はアフガニスタン戦争に巻き込まれる危険性がある。この道はなんとしても阻止しなければならない。」(同書、53頁。強調は引用者、以下同じ) 永田町のことは知らないが、森田の懸念には完全に同意せざるを得ない。以下、長くなるが、それに値する文章だと思うので、引用させていただく。いくつかの点では私と認識が異なるが、大筋では全く同感である。 「 私は小沢政権に深い危惧と疑念を抱いている。私は、2007年秋に、小沢代表がアフガニスタン戦争に参戦する意思があることを知って以来、小沢代表に対する批判をつづけてきた。 政治において戦争と平和の問題が最も重要である。私は戦争をするおそれのある政権は絶対に支持できない。 2007年10月7日に総合雑誌の『世界』11月号が発売されてから、私は小沢民主党代表を批判しつづけている。それは小沢代表が『世界』の中で「今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・防衛政策を決定する立場になれば、ISAF(国際治安支援部隊)への参加を実現したいと思っています」と発言したからである。 日本がアメリカのアフガニスタン戦争に加担することに私は絶対に反対である。 この発言を私が批判して以来、私に対して「小沢代表批判はやめろ!」というメールや手紙が来るようになった。あまりに激しいので、初めは、小沢代表を教祖のように慕う人たちの私への抗議かと感じたことがあった。 だが、それだけではないことがわかった。 「アフガンヘ自衛隊を出してなぜ悪いのか」「アフガンでISAFに自衛隊が参加するのがなぜ悪いのか」という考えが、日本国民の中にかなり根強いことがわかってきた。「戦争してどこが悪いのか」という考えをもつ人々が、日本国民の中にかなりいることを知らされたのである。 戦争体験者のほとんどは戦争反対である。しかし未経験者は必ずしも「反戦」ではない。ある時期から、私の小沢代表批判は単に小沢代表個人に向けるだけではなくなった。小沢代表支持者の「アフガニスタン戦争支持」論者との論戦になった。「戦争をして何か悪い」という人々への反論を書くようになった。小沢氏はそういう「戦争を恐れない人々」の代表的存在なのだということがわかった。 団塊の世代の旧知の新聞記者OBと話し合ったとき、「たとえ小沢内閣ができて、アフガン戦争に自衛隊を派遣することになっても、また、麻生自民党政府が、アフガン戦争への参加をしないとの態度をとるとしても、麻生政権よりは小沢民主党政権のほうがよい」と居直られてしまった。「小沢政権がアフガン戦争に参加してもかまわない。自民党政権はもうたくさんだ。ぼくは小沢代表が『世界』2007年11月号(「公開書簡 今こそ国際安全保障の原則確立を」川端清隆氏への手紙)の「アフガン戦争参加」発言を実行しても小沢政権のほうがよい」というのである。 私は戦争政権をつくるくらいなら、たとえ政権交代ができなくてもまだ戦争をしない政権のほうがましだと主張した。激しい論争になった。 「自民党政権はもうたくさんだ」という気持ちの国民は増えている。多くの人びとが政権交代を望んでいる。 選挙は過去の政治に対する国民の判断である。自民党は終焉のときを迎えている。だが選挙はそれだけではない。国民は将来への判断も同時に行う。国民が、目本の将来を判断するうえで、「平和」の問題は最大の問題でなければならない。戦争の道を進むか平和の道を進むかは選挙の最大のテーマである。 いまの民主党は、すべての政治問題の判断を小沢代表にゆだねてしまっている。小沢体制下の民主党は上意下達の一枚岩の政党である。総選挙後に小沢政権ができたとき、すべての判断を「小沢首相」が行うことになる。 「小沢首相」は、憲法改正規定の憲法第96条によって憲法を改正することなく、内閣の判断による解釈の変更によって集団的自衛権を行使できるとしている。民主党政権の絶対者一人によって、憲法第9条のもとでも武力行使ができるようになる。小沢民主党政権ができたとき、小沢氏は憲法第9条があるのに武力行使を行うことができるようになる。この可能性はきわめて高いとみなければならない。 こういう政治のあり方――戦争志向と独裁――に私は反対である。団塊の世代の中の小沢代表支持者には、とくに戦争と平和についてもっと真剣に考えてほしいと願う。「戦争して何か悪い」と居直る若い人々にも、戦争の悲惨について学んでほしいと願う。」(71~74頁) 「 ここで、私がなぜ小沢代表への批判をつづけているのか、について改めて基本的な考えを述べておきたい。 アメリカは、アフガニスタン戦争の共同責任を、ヨーロッパのNATO(北大西洋条約機構)軍と日本の自衛隊に担わせようとしている。アメリカはオバマ政権になってもアフガニスタン戦争をつづける意思をもっている。むしろ、オバマ政権下ではアフガニスタンが主戦場となる。 日本は、現在の自公連立政権も、民主党の小沢一郎代表も、アメリカのアフガニスタン支配を支持し、積極的に加担しようとしている。ただし、自民党は集団的自衛権の行使を認めていないが、小沢代表は認めている。小沢代表のほうが過激である。 日本はいま、きわめて危ない状況にある。 2009年9月11日までには衆議院議員総選挙が行われ、政権が交代し、小沢民主党政権が誕生する可能性が高い。そのとき、小沢首相はアフガニスタンに自衛隊を出す可能性が生まれている。 現在の自公連立政権は、アメリカのアフガニスタン戦争への協力については主としてインド洋上における給油活動を行っており、アフガニスタン本土における活動においては武力行使は抑制する態度をとっている。 ところが、民主党の小沢代表はここから一歩踏み出して、アフガニスタンのISAF(国際治安支援部隊)に自衛隊を参加させて武力行使を認めようとしている。 小沢代表はこの考えを総合雑誌『世界』の2007年11月号の中で明言している。 小沢代表は、次のように「テロとの戦い」支持を表明している。 《日本人は、決然としてテロと戦う決意と態度を持たなければなりません》 「テロとの戦い」はブッシュ政権が世界支配のための軍事行動を起こす口実にすぎなかったことは今日では明らかである。それでもなお小沢代表が「決然としてテロと戦う」と主張するのは、時代遅れである。世界中が「テロとの戦い」をやめる方向にある。 さらにこう明言している。 《私は、(中略)国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致するという考えに立っています》 小沢氏は現在の憲法においても、国連活動に協力する場合は武力行使が可能である、すなわち集団的自衛権の行使は可能だと考えている。軍事優先の思想であり、武力行使可能との立場をとっている。 だが、これは間違いである。 憲法第九条は国権の発動たる戦争と武力の行使を禁じている。国連協力であろうとなかろうと日米協力であろうと、自衛隊が日本の領土領海の外で武力を行使して戦争することは、明らかな憲法違反である。 小沢代表は国連協力を名目にして、ブッシュの起こした宗教戦争に参加しようとしているのだ。日本はキリスト教右派とイスラムとの宗教戦争に参入してはならない。宗教戦争に深入りしたら大変なことになる。許してはいけないことである。 アフガニスタン戦争は本質的には宗教戦争である。日本はこの宗教戦争に巻き込まれてはならない。そして、こう発言している。重要な発言である。 《今日のアフガニスタンについては、私が政権をとって外交・防衛政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したいと思っています》 lSAFとは、lntenational Security Assistance Force =国際治安支援部隊のことである。2004 年8月ドイツ、フランスなどの欧州合同軍が同年10月に予定されていた(アフガニスタンの)大統領選挙に備えてアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)の指揮権をNATO軍から継承したものだ。 今日では、ISAFはアフガニスタンにおいて戦闘行動を行っており、これに日本の自衛隊が参加し戦争することは憲法上許されることではない。小沢代表は政権をとったら、この戦争に参加すると言っている。 民主党は、従米主義の自公連立政権でさえ躊躇してきたアフガニスタン戦争に参加しようとしている。小沢氏は恐ろしいことを考えているのだ。 最近、民主党の直嶋正行政調会長は国会において、民主党政権になったら集団的自衛権を認め、アフガニスタンにおける武力行使ができるよう法的整備を行うと表明した。 小沢氏の『世界』発言はいまも生きているのである。 民主党内にも平和主義者はいるだろう。私は何人も知っている。 しかし、ほとんどの民主党議員が「テロとの戦い」を支持し、アフガニスタン戦争への参戦を主張する小沢氏に追従している現状はどう見ても異常である。 国民の多くは自民党政権に飽き、民主党政権を求めている。だが、大多数の国民は、アフガニスタン戦争に賛成してはいない。小沢氏がこんな危険な考え方の持ち主であることを知らない。 小沢代表がアフガニスタン戦争をしようという考えの持ち主であることを知ってもなお、国民は、小沢民主党政権の登場を支持するだろうか。多くの国民が戦争に反対していることはたしかだが、しかし戦争を軽視する最近の風潮を私は深く憂慮している。」(76~81頁) 「 総選挙後に大連立政権ができる可能性は高いと思う。2007 年秋に突如として浮上し、瞬時に消えた小沢主導の「大連立」に関する「福田(当時首相)・小沢合意」は完全に消滅したわけではない。「大連立」構想は総選挙後に甦ることは確実である。福田・小沢合意の三条件(①国連決議尊重主義、②ISAFへの自衛隊の参加、③集団的自衛権の容認)もまた甦るだろう。 総選挙後、小沢政権のもとでアフガニスタンのISAFに日本が参加するという小沢外交・防衛政策が実行されるおそれ大である。楽観は許されない。」(83頁) 「総選挙が終わるとともに「大連立」の動きが出てくるとみておかなければならないと私は見ています。2007 年の大連立騒動の主役だった小沢一郎民主党代表と渡遁恒雄読売新聞会長も、総選挙が終わればすぐに動き出すと思います。「いや、もう水面下の動きは始まっている」という情報通もいます。 公明党がキャスチングボートを握る可能性は大きいことはたしかです。公明党も大連立に動く可能性は否定できません。公明党が接着剤となる「民主・自民大連立」というより「民自公3党大連立」も十分に起こり得る状況なのです。 この大連立の動きを当時バックアップしたのが日本をアフガニスタン戦争に引き入れようとしている一部のアメリカ政府の対日政策関係者です。アメリカのオバマ(民主党)政権はアフガニスタン戦争に集中します。アメリカの政治を動かしている「軍産複合体」は戦争をやめません。「軍産複合体」に操られるアメリカ政府は、日本をアフガニスタン戦争に巻き込もうとしていると私は思います。日本に「大連立」体制が生まれれば、これはアメリカ政府にとって好都合でしょう。 小沢一郎民主党代表は日本政界随一の親米派政治家でした。この基本姿勢はいまも変わっていないのではないかと思います。2007 年秋の「自民・民主大連立」工作は、アメリカ政府の対日担当者との連携のもとでなされたのではないかと当時私は分析しました。2007 年8月の小沢一郎民主党代表とシーファー駐日米大使との公開の会談と決裂は政治的パフォーマンスだったというのが私の見方でした。いまでも裏工作はあったと思っています。 小沢民主党代表は麻生自公連立政権との政策上の違いを強調していますが、大部分は小さな政策での対立です。民主党は日米関係の対等化を主張していますが、小泉政権時代のベタベタ従米路線を部分的に修正するだけだと思います。親米路線から自立路線への抜本的転換はありえないと思います。また、「市場原理主義・小さな政府」路線についても、部分的修正はめざしていますが、抜本的転換を断行しようとしていないと思います。すべて中途半端です。 私は「大連立」の策謀はまだ生きていると考えています。なんとしても止めなければならないと決意しています。大連立では、日本がいま直面している経済不況を解決する政策を出すことは困難だと思います。アメリカの影響を強く受けやすいからです。」(183~185頁) 日本の左派は、民主党政権を支持するために様々な弁明を行なっているが、それはすべて国民向けのものだ。アフガニスタンの人々に自分がどう映るか、という視点がない。村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチと同じ構図である。アフガニスタンの人々からすれば、日本の左派は侵略者の一人にしか見えないだろう。実際にその通りである。 「<佐藤優現象>批判」の末尾で、「改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲か護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使を容認するか、「対テロ戦争」という枠組みを容認するかどうかである」と書いたが、ここに、「対アフガン武力行使を容認するかどうか」も付け加えよう 。左派はどのみち、「小沢は現段階では改憲する気はない」などとしながら、アフガン派兵を容認(黙認)するだろうから、これは、一般市民である読者に対して書いている。 社民党が、内閣法制局長官の答弁禁止を認めた(いろいろ笑うべき弁明をしているようであるが)ということは、民主党政権によるアフガン派兵を実質的には容認したことを意味する。社民党がそのことを理解していないはずはない。実際の派兵にあたっては、伊勢崎賢治が大活躍して正当化するだろう。
by kollwitz2000
| 2009-12-06 00:00
| 日本社会
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