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2009年 12月 07日
前回記事「民主党政権支持はアフガン侵略容認」の中の「社民党が、内閣法制局長官の答弁禁止を認めた(いろいろ笑うべき弁明をしているようであるが)ということは、民主党政権によるアフガン派兵を実質的には容認したことを意味する。」という箇所について、読者から、「内閣法制局長官の意見も聞く、そして記録にも残すということになっているのだから、そのようには言えないのではないか」という意見をいただいた。こういう社民党の留保を指して、「(いろいろ笑うべき弁明をしているようであるが)」とまとめておいたのだが、一応、改めて説明しておこう。
この件についての最新の報道(朝日新聞12月7日13時2分)では、以下のように報じられている。 「民主、社民、国民新の与党3党の幹事長・国会対策委員長は7日、国会内で会談し、官僚答弁を禁止し政治家同士の国会論戦を基本とする国会改革法案について、次の通常国会で成立を図ることで合意した。答弁禁止の例外の「政府特別補佐人」から内閣法制局長官を外すことも一致した。 合意した改革案は、(1)政府参考人制度を廃止し、官僚の答弁を禁じる(2)政府特別補佐人から法制局長官を外す(3)政治家同士の国会論戦を行う衆参委員会とは別に、行政監視を目的とした「新たな場」を設け、官僚や有識者から意見を聴取する、という内容。」 http://www.asahi.com/politics/update/1207/TKY200912070215.html?ref=reca まず、国会職員?の整理にしたがえば、「行政府の憲法解釈が確定する過程において内閣法制局の憲法解釈は、これをもって他の国家機関の憲法解釈を確定するという意味でも、行政府内の憲法解釈を確定するという意味でも法的な拘束力を持つものではなく、あくまで最終的な行政府における決定は内閣によって行われ、結果的に内閣法制局の見解が採用されているにすぎない」(強調は引用者、以下同じ)とある。 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200802_685/068503.pdf だから、三党の合意案であれば、内閣法制局長官が仮に従来の憲法第9条解釈を踏襲し、それを「新たな場」で見解として表明しようとも、それはあくまでも参考意見として聞き流せばいいのであって、従来のように内閣法制局長官答弁がそのまま採用されて政府見解となることはないのである。 このことを確認するために、民主党の平岡秀夫参議院議員の2009年11月10日付ブログ記事「法制局長官の答弁禁止」を見てみよう。平岡は、『世界』にもよく登場する党内の「リベラル」派であり、恐らく、内閣法制局長官答弁禁止が解釈改憲の一貫という当然の懸念の火消しにまわっているのだと思われる。 平岡はここで、「「小沢幹事長は、内閣法制局長官を国会で答弁させないことによって、憲法第9条のこれまでの政府統一見解を変えようとしているのではないか。」との指摘」について、「的外れ」だと述べ、理由を述べている。平岡の主張は単なる解釈論であって、平岡の解釈でいけば、従来の内閣法制局長官答弁も実は政府見解ではなかったのだから、国会答弁禁止は大した問題ではない、というものだ。これは、従来の内閣法制局長官答弁が、政府見解として機能してきた現実を無視した詭弁に過ぎない。ただ、平岡の発言で見るべき点はそこではなく、以下の結論部分にある。 「要は、内閣法制局長官が国会で答弁できなくなることは、それほど大きな問題ではなく、むしろ問題は、政府統一見解を示す場合に、内閣法制局の意見が内閣の中でどれだけ尊重されるのかにあると考えられます。」 すなわち、平岡は、「大きな問題ではな」いと必死でアピールしているにもかかわらず、答弁禁止により、政府統一見解が内閣法制局長官によって示される形態から、政権の裁量によって示される形態に移行することを認めているわけである。極めて「大きな問題」なのである。内閣法制局長官の位置を変更することで、内閣法制局長官の憲法解釈の変更と、実質的に同じ政治的意義がもたらされるのである。 こうしたことを、社民党が分かっていないはずはない。オバマ大統領がアフガン戦略の重点化、NATOのそれに合わせた増派、小沢のIASFへの参加の公言といった背景の下で、この内閣法制局長官答弁の禁止が出されており、それを容認しているのであるから、社民党がアフガン侵略に対してまともに抵抗する気がないことは明らかである。 三党合意案の「政治家同士の国会論戦を行う衆参委員会とは別に、行政監視を目的とした「新たな場」を設け、官僚や有識者から意見を聴取する」というものは、単に連立を最優先する社民党のメンツを立ててやるものにすぎない。こんなものは解釈改憲に対して何の歯止めにならない。 仮に、法案がこのまま成立した場合、「新しい場」で、(例えばISAF参加と集団的自衛権に関して)政府見解と異なる内閣法制局長官見解が示され、民主党が無視した場合、「民主党は内閣法制局長官見解を尊重すべき」とアリバイ的に、社民党は抗議するだろう。だが、そもそもこの法案の焦点が、内閣法制局長官答弁の政府見解としての位置づけの剥奪にあることは政治的立場を問わず自明であるから、法案が通ってしまえば、そうした抗議は社会的にはほとんど力を持たないだろう。法案成立後に社民党がアリバイ的に、実質的にはほぼ無意味な抗議をするだろうことも、既に(当の社民党を含めて)みんながわかっている。八百長プロレスしかやらなかった、昔の社会党みたいなものだ。そうした抗議は、ダチョウ倶楽部のリアクション芸のようなものであって、それ自体が織り込み済みのものである。だから、そこでの争点は、「民主党が内閣法制局長官の見解を尊重すべきかどうか」ではなく、そのリアクション芸が笑えるかどうか、または、ダチョウ倶楽部の完成度にどこまで近づけるか、でしかない。法案の段階で既に勝負はついている。
by kollwitz2000
| 2009-12-07 00:00
| 日本社会
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