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2010年 05月 25日
NHKニュースでは、「北朝鮮貨物検査法案」(臨検特措法案)の衆議院可決について、以下のように報じられている。
「北朝鮮貨物検査法案 衆院可決 5月20日 15時8分 北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査について、海上保安庁が主体的に対応するとした政府の特別措置法案は、衆議院の本会議で採決が行われ、与党3党と公明党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。 衆議院本会議では、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査をめぐって、政府が提出した特別措置法案と自民党、みんなの党などが提出した対案の採決が行われました。政府案は、貨物検査について「海上保安官、または税関職員に任務に当たらせる」として、海上保安庁が主体的に対応するとしているのに対し、自民党などの対案では「海上保安庁で対応できない場合、自衛隊は海上警備などの措置をとる」としています。採決では、政府が提出した特別措置法案が、与党3党と公明党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。」 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100520/t10014568271000.html この件についてはそもそも報道自体が非常に少ないのだが、報じられている記事を見ると、基本的には上のような内容である(批判が不十分であるが、赤旗が審議も含めて批判的に報じている)。上の内容を見ると、自民党案(元々は麻生内閣時に出されたもの)が自衛隊出動まで踏み込んでいるのに比べて、政府案はより「穏健」なものに思われるかもしれない。法案の正式名称も、自民党案が「北朝鮮特定貨物検査等特別措置法案」であるのに対して、政府案は「国際連合安全保障理事会決議を踏まえ我が国が実施する貨物検査等特別措置法案」である。 だが、両法案の内容は、実は「法的効果」としては全く同一なのであって、そのことは政府も認めているのである。5月19日の衆議院国土交通委員会岩屋毅(自民党)と三日月大造(国土交通大臣政務官)とのやりとりからまとめておこう。 http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40431&media_type=wb&lang=j&spkid=19901&time=00:33:59.5(動画の32分あたりから) このやりとりによれば、政府案と自民党案の違いというのは、法案の名称と、自民党案の第9条第2項「自衛隊は、前項に定めるもののほか、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)その他の関係法律の定めるところに従い、この法律の規定による検査その他の措置に関し、海上保安庁のみでは対応することができない特別の事情がある場合において、海上における警備その他の所要の措置をとるものとする。」を政府案が削除している点に過ぎない。 そして、自民党案第9条第2項があろうがなかろうが、法的には何の意味もないということを、ここで政府も認めているのである。 政府案の第9条には「関係行政機関は、第一条の目的を達成するため、相互に緊密に連絡し、及び協力するものとする。」とあるが、政府見解によれば、「関係行政機関」には、防衛省も自衛隊も当然含まれる。そして、自衛隊法第82条「防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。」が存在するから、法案で自衛隊について明記されようがされまいが、「海上保安庁で対応できない場合、自衛隊は海上警備などの措置をとる」のである。 三日月は、自民党案の第9条第2条は、本来なくてもよいが「確認的に入れられたもの」だと解釈している、また、政府案は「法的効果」の面では自民党案と同じであって、自衛隊法に基づく海上警備行動等の任務や権限に変更が生じるものでは全くない、と明言している。要するに、自民党案も政府案も、実質的には全く同一なのである。 したがって、冒頭で紹介した報道は、世論の誘導、誤導と言うほかない。こうした報道によって、あたかも政府案は、自衛隊出動まで踏み込んでいない、自民党案よりもより「穏健」なものであるとの誤ったイメージが植えつけられるからである。 社民党は、政府案に関して、「自衛隊の活用に関する規定を削除することで、法案提出に慎重だった社民党が「一番こだわっていた部分がクリアされる」(福島党首)と容認に転じた」と報じられている(読売新聞2009年10月23日付)。社民党の立場は、政府答弁で完全に覆されたはずだが、上のような報道であれば、そのことはなかなか気づかれないだろう。 今回の政府案では、公海における自衛隊の北朝鮮国籍船舶への臨検も認められるのであるから、何らかの形で武力紛争(戦争)が生ずる可能性も高いだろう。そのような極めて重要な法案が、こうした世論の誤導とともに、ほとんど反対らしい反対もなく成立するであろうことに驚かざるを得ない。少し前に私は、治安維持法が、過激社会取締法案には反対していた護憲三派内閣によって「比較的スムーズに成立した」ことを指摘し、国会法改正を治安維持法になぞらえたが、臨検特措法案にもそれは当てはまるだろう。 産経新聞(黒田勝弘)は、韓国の国民世論について、「北朝鮮に対する「軍事的対応」について世論調査では、59%が反対している(22日付、東亜日報)。国民は依然、平和志向が強く“覚悟”は見られない。北朝鮮はその足下を見ながら「全面戦の脅威」で韓国を牽制している。」などと述べている。 「軍事的対応」が戦争を意味する以上、反対するのは当たり前である。日本の世論も、戦争の“覚悟”はまだできていないだろう。その“覚悟”を世論レベルで醸成するために、今後、「北朝鮮」関連で、常識では考えられないような酷い措置がとられていくのではないか、と危惧する。
by kollwitz2000
| 2010-05-25 00:00
| 日本社会
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