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2007年 09月 11日
本屋で新刊『中国の黒いワナ』(別冊宝島)所収の佐藤優・荒木和博・青木直人の巻末鼎談を立ち読みしていたら、佐藤が拉致問題に関するこれまでの主張を放棄していたので、爆笑すると同時に、そのせこさに腹が立った。こんな駄本買いたくないので、以下の紹介は私の記憶に基づく。興味のある人は立ち読みして確認されたい。
佐藤は、鼎談の中で、拉致問題の解決の重要性を強調しつつ、ロシア人の政治家から「拉致問題を日本はなぜカネで解決しないのか」と質問されたという話を述べている。そのロシア人に対し佐藤は激怒したが、交渉には見返りが必要、というロシア人の言い分を紹介した上で、「償い金」のような形で資金を与えることには反対だが、北朝鮮に資金を与えることで、北朝鮮の体制を内部から変革させることも一案である、といったことを述べている。 「拉致問題の解決が交渉の大前提」とさんざん煽ってきたのは一体誰なのか。私見によれば、佐藤がこの立場を放棄したのは、この文章が初めてではないかと思う。明白な転向である。 佐藤は、植民地支配の過去には一応言及する田中均を、これまで「歴史に対する思い入れが強すぎる」として批判してきており、同鼎談中でも、田中均型外交を批判しているのだから、この佐藤の「償い金」への反対を、日朝平壌宣言には反対している、と誤解する人も多かろう。だが、言うまでもないが、日朝平壌宣言は経済協力方式なのだから、「償い金」などではない。佐藤は、「田中均型外交を確かに自分は批判してきたが、日朝平壌宣言は否定したことがない」と言うだろう。保険を掛けておいてよかった、というところか。 これまで佐藤は「拉致問題の解決」を交渉の大前提とする安倍外交を支持してきたが、米朝協議の展開で安倍自身がその立場を放棄されることを余儀なくされるとともに、佐藤もその立場に見切りをつけたのであろう。多分、日朝交渉の行き着く先は、日朝平壌宣言になろうから、今のうちにそのラインで、ということだと思われる。せこい奴である。今後、佐藤は『金曜日』の連載などでは、「北朝鮮への資金提供の必要性」について、あたかも初めからの持論であるかのように主張していくかもしれない。 ついでに言うと、「北朝鮮の体制を変革させるためにも国交正常化と資金提供を」という論理は、最近の姜尚中の立場でもある。姜は、佐藤と違ってかねてからの国交正常化論者だが、同じ「国交正常化論」でも、体制崩壊を志向したものに論理が変質している。簡単にまとめると、佐藤が「左」に、姜が「右」に行って、似たような主張になっているということだ。 私としては、佐藤自身には前から言っているようにそれほど関心はないが、佐藤はリベラル・左派のある種の欲望を体現していると見ているので、佐藤が主張を転向させるまでに日朝関係・拉致問題に関する「論壇」の「空気」が動いている、ということに注目している。それにしても、ロシア人の話というのは、佐藤が転向を合理化するために捏造したっぽいな。せこい。佐藤は、鼎談中で、拉致問題の解決の重要性を繰り返し強調し、そのためには日本が六者協議で孤立してもよいとも言っているが、これも転向を隠すためのように思われる。 あと、佐藤の発言では、「左翼にも、反スターリズムの観点、北朝鮮の民衆も金成日体制の被害者という視点から、拉致問題に対して整理させるべき」というものも興味深い。今の一部の新左翼は、実際にこの論理で、金成日体制の打倒を呼号し、そのための武力行使も肯定していたはずである。ネオコンの中心メンバーにはトロツキストから転向した連中が多いらしいが、そのまんまである。日本の左翼の救いようのなさから考えれば、近いうちにこの佐藤の主張に呼応する連中がもっと出てくるかもしれない。 それにしても、佐藤のこの転向に、右翼や保守派で怒りの声を上げる気骨のある?奴はいないのか。リベラル・左派のメディアや知識人が腐っていることは前から指摘しているが、これでも相変わらず右派メディアで書き続けられるのならば(多分、そうなるだろうが。売れっ子だしね)、右派の救いようのなさも相当なものである。
by kollwitz2000
| 2007-09-11 00:48
| 佐藤優・<佐藤優現象>
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