|
カテゴリ
以前の記事
2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 01月 2018年 11月 2018年 06月 2018年 02月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 03月 2016年 09月 2016年 07月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 02月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 06月 2007年 01月 2006年 12月 検索
その他のジャンル
|
2009年 01月 30日
『金曜日』の新編集委員に中島岳志、田中優子、宇都宮健児が就任した。
中島の就任は、佐藤優を『金曜日』で使い続けるためだと思われる。中島は、小林よしのりに最も目をつけられている人物の一人であろう。大雑把に言えば、『金曜日』社長の佐高信は、要するに、中島・佐藤・『金曜日』連合軍対小林、という構図を作り出すことで、佐藤は自分たちの味方だ、と『金曜日』読者に印象付けたいのだと思われる。現に、『創』の最新号(2009年2月号)では、連載を持っている佐高と佐藤が、揃って小林攻撃を行なっている。 中島・佐藤とも小林との論争においては圧倒的に劣勢なので、こうした対立構図は彼らにとって渡りに船だろう。割を食うのは『金曜日』だけである。佐高(ら)は、『金曜日』を私物化している。 それはさておき、田中優子についてはあまり関心がなかったのだが、下の文章を読んで驚いた。 「これだけグローバル化した世界ですから、一企業のため、一国のためという考え方では、将来結局共倒れです。国境は人間が作ったもので、実際には空も空気もつながっているのですから、「うちの国だけきれいに」は物理的に不可能です。にもかかわらず、国際的にも未だに京都議定書のような混迷した有り様です。そうして考えていくと、逆に、結局は自国で完結させられるようにした方がやりやすいと結論づけられはしませんか?遠くからモノを運んでくるという行為そのものが環境に多大な負荷を与えます。ありとあらゆるものを輸出入しながら経済を回すことから脱却して、自給自足、地産地消を成立させ、国ごとにしっかりとした環境対策を組めば、多くの問題が解決されるはずです。 ではなぜそれができないのでしょう。そこで前述した植民地政策に話がつながるわけです。日本が自給自足を試みると、モノが高くなるから駄目だと言う人がいますが、日本と中国の関係を見ても、利益の出どころが人件費の差額だという状態です。他の国を貧しくさせることでできた落差を利用して、より安価なモノができているのですから、その値段がむしろ異常なのです。この点は消費者側も何としても認識する必要があります。江戸時代がそうであったように、地産地消でモノの値段を適正化し、それに関わるサービスなどで雇用を生み出していくのが、持続可能な経済のあり方だと思います。」 http://www.dff.jp/specialist/009.html 「江戸時代がそうであったように、地産地消でモノの値段を適正化」するというのも皆目見当がつかないのだが、それはさておき、これ、典型的なアウタルキーの思想じゃないですか。『買ってはいけない』系のファナティシズムが行き着けば、こういう感じになるのだ、と思われる。9・11陰謀論に続いて、『金曜日』はまた大変な難物を抱えたようである。 田中は反グローバリゼーションの文脈でこうした主張を行っていると思われるが(これでは反グローバリゼーションというよりも反市場経済であるが)、そもそも、これだけ日本の多国籍企業が海外展開して発展途上国で搾取している中で、そのことを問題にせず、発展途上国の運動と同じように反グローバリゼーションが唱えられるとすること自体がおかしいのである。イラク戦争に加担しながら「平和国家」を唱えるようなものだ。 自国の多国籍企業の海外展開を放置したまま唱えられる、先進国での反グローバリゼーション運動は、必然的に排外主義になる。田中の主張は、現実的にはほとんど意味を持たないが、現在のリベラル・左派に見られる、外国人労働者の流入への反対論(例えば萱野稔人)や、中国産製品の排斥といった排外主義を、気分的に下支えする機能を果たすだろう。 仮に田中が江戸時代的な自給自足経済に復古することで生活水準の低下を容認するという姿勢を打ち出すならば、思想的には意義があると思うが、恐らく田中の主張は、従来通りの先進国の国民としての(田中に関して言えば、恐らく貴族的な)生活水準を維持させることは大前提だろう(そのためには多国籍企業の海外展開と海外派兵が不可欠である)。これは、萱野のような、生活水準の低下の脅威を訴えて外国人労働者の流入への反対を説く主張と同質の反グローバリゼーション論である。 私は、保守系ブログ「HALTANの日記」でこの田中の発言を知ったのだが、HALTAN氏は田中の発言を酷評する一方、同じ記事で、最首悟がスピリチュアルにハマっている件を取り上げている。私は田中の主張にも、スピリチュアルに近いものを感じる。http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20090129 ところで、佐藤は最近、「テロとクーデター」への期待が蔓延していると盛んに書いており、また、小林を「ファシズム」のイデオローグとして、ファシズムと対抗することを呼びかけている。 佐藤がクーデターやファシズムの危険性を叫び、そうした発言を左派メディアが載せるのは、「佐藤さんとともに戦おう」ということで、佐藤が左派メディアで書く場所を確保するためであることは見やすい道理だろう。だいたい、クーデターをなぜアメリカが許すのか。佐藤や左派メディアは、マッチポンプを演じているわけである。 下のサイトが的確に指摘しているように、佐藤こそが「ソフト・ファシズムのイデオローグ」である。 http://outlaws.air-nifty.com/news/2009/01/post-f255.html 「マガジン9条」でのインタビューでの発言を読む限り、田中は、今の『金曜日』の憲法9条と「愛国」主義の擁護という路線に極めて適合的であるように見える。特に、「私が言っていることは、かなり民族主義的ですよ。右翼の方々と意見が合いそうに思うんですけどね」という発言などまさにそうだ。 また、田中はここで、「戦前はむしろ、日本が自分たちの考えで何をするか考えていた分、今よりも偉かったのではないかとさえ思えてきますね。結局は軍部が台頭して、あの戦争という大失敗に突入してしまいましたけど」とも書いている。朝鮮の植民地支配自体は容認している、ということである。 現在の田中は、佐藤のようにあからさまな排外主義を振りかざしていないが、田中の主張である江戸時代賛美やアウタルキーの思想自体は、9・11陰謀論がそうであるように、ファシズム的なものに親和的である。 田中の『金曜日』編集委員就任は、『金曜日』が確実に「ソフト・ファシズム」の路線を進んでいることを示していると思う。逆に言えば、憲法9条と「愛国」主義の擁護は、排外主義やファシズム的なものと十分に共存可能である、ということでもある。
by kollwitz2000
| 2009-01-30 00:00
| 日本社会
|
ファン申請 |
||